PiTologi
物流コラム

EC出荷が遅い原因5つ!夕方の詰まりを切り分ける

EC出荷が遅い原因は「人手不足」で片づけられがちですが、日次500〜3,000件の現場で夕方に出荷が詰まるとき、真因はほぼ波動・動線・在庫ロケ・モール連携・属人化の5つに分かれます。

当社はまず1時間あたり出荷件数(人時生産性)と誤出荷ppmを実測し、増員ではなく動線と着荷タイミングの再設計から入ると判断します。本稿は5原因の切り分け順と、出荷リードタイム短縮の優先度を、現場で測れる数字で示します。

「人が足りない」で増員する前に、1時間あたり出荷件数を測る

夕方に出荷が詰まると、最初に出る打ち手は増員かシフト延長です。当社はこれを最後の手段と判断します。

理由は単純で、人を足しても1人1時間あたりの出荷件数(人時生産性)が低いままなら、通路の渋滞とピッキングの往復が増えるだけだからです。

最初に測るのは2つ。出荷確定から梱包完了までの人時生産性と、出荷波動の時間別グラフです。

午前が空いて15時以降に件数が山になる現場は、人手ではなく着荷とピッキング開始のタイミング設計で詰まっています。

1人あたり1時間60件で回っていた現場が、動線再設計だけで108件まで伸びた例があります。

増員はその後で判断します。

EC出荷が遅い5原因。上から順に切り分ける

原因を同時に潰そうとすると現場が混乱します。当社は影響度の大きい順に1つずつ検証します。

原因典型症状測る指標一次的な打ち手
1出荷波動15時以降に件数集中、午前は手すき時間別出荷件数締め時間とピッキング波の再設計
2ピッキング動線1出荷あたり歩行距離が長い人時生産性(件/人時)ロケ並べ替え、トータルピッキング化
3在庫ロケ不整合棚を探す、欠品で出荷止まる在庫精度、ロケ正答率ABC再配置、フリーロケ見直し
4モール連携の手作業注文CSVを手で取り込む受注〜出荷リードタイムOMS/WMSとモールAPIの接続
5属人化ベテラン不在で件数が落ちる新人立上げ日数作業標準化、RF端末化

1と2は現場のレイアウトとオペレーションで解け、4はシステムで解きます。

順番を飛ばして4から手を付けると、動線が悪いまま処理速度だけ上げて、誤出荷が増えます。

出荷リードタイムは「待ち時間」を削ると最短で縮む

出荷リードタイム短縮というと作業速度を上げる話に聞こえますが、実際に縮むのは作業と作業の間の待ち時間です。

受注データの取り込み待ち、検品の前の滞留、梱包資材の補充待ち。これらは作業者の手元では見えません。

当社は受注確定から出荷確定までを工程ごとにストップウォッチで分解します。多くの現場で、正味の作業時間は全体の4割以下で、残りは待ちと探しです。

注文の自動取り込みで取り込み待ちを消し、ピッキングリストを波ごとに先出しするだけで、リードタイムが平均6.5時間から当日2時間台に縮んだ現場があります。速く動かす前に、止まっている時間を消します。

誤出荷を減らすことが、結局いちばん出荷を速くする

急いで出すと誤出荷が増える、という前提を当社は採りません。誤出荷を減らす仕組みは、そのまま出荷を速くします。誤った商品をピックして気づき、戻して取り直す時間がなくなるからです。

対策誤出荷への効果出荷速度への効果導入コスト感
RF端末でバーコード検品取り違えを出荷前に検知目視照合の時間を削減RF端末+WMS設定
ロケーション番地化棚違いピックを防ぐ探す時間を削減ロケ付番とラベル
出荷波のトータルピッキング同一SKUをまとめて取る歩行距離を削減運用設計のみ

誤出荷率を1,000件あたり3件(3,000ppm)から300ppm以下に下げた現場では、取り直し作業が消えた分、同じ人数で出荷件数が2割上がりました。誤出荷を減らす投資は、品質対策であると同時に速度対策です。

自社で測りきれないなら、半日の現場診断で切り分ける

ここまでの5原因は、時間別出荷件数と人時生産性、誤出荷ppmが手元にあれば自社でも切り分けられます。測る習慣がない、どこから手を付けるか決められない、という場合は外から切り分けたほうが速い、と当社は判断します。

当社の無料診断では、現場の出荷データと半日の同行で、5原因のうちどれが効いているかを特定し、増員前に効く順番を提示します。机上の改善案ではなく、その現場のレイアウトとデータに沿った打ち手を出します。

よくある質問

EC出荷が遅いのは人手不足が原因ではないのですか?

人手不足が主因のケースは少数です。日次500〜3,000件で夕方に詰まる現場の多くは、出荷波動とピッキング動線が真因で、増員しても通路渋滞でかえって遅くなることがあります。先に1時間あたり出荷件数を測ってください。

出荷リードタイムはどれくらいまで短縮できますか?

工程を分解すると正味作業は全体の4割以下のことが多く、待ち時間を消すだけで平均6.5時間から当日2時間台まで縮んだ現場があります。短縮幅は今のリードタイムの構成次第なので、まず工程別に測るところからです。

誤出荷を減らすと出荷は遅くなりませんか?

逆です。誤出荷を減らすと取り違えの取り直しが消え、同じ人数で出荷件数が上がります。RF端末検品とロケ番地化で誤出荷を3,000ppmから300ppm以下に下げ、出荷件数が2割伸びた例があります。

システムを入れ替えないと出荷は速くなりませんか?

原因の順番次第です。波動と動線が真因なら、システム入れ替えより先にレイアウトとオペレーションで解けます。モール連携を手作業でやっている場合のみ、OMS/WMSとモールAPIの接続が効きます。順番を飛ばすと誤出荷が増えます。

どの規模から相談できますか?

日次数百件から相談を受けています。件数が小さいうちに動線とロケを整えるほうが、件数が増えてから直すより安く済みます。波動が見えてきた段階での相談が最も効きます。

自社にデータがなくても診断できますか?

できます。出荷データが整っていない現場ほど、半日の同行で時間別件数と人時生産性を実測し、5原因のどれが効いているかを切り分けます。データ整備自体が最初の打ち手になることもあります。

出荷の詰まりを切り分けるなら

ピッキング動線とレイアウトの再設計を相談する倉庫運営の代行で波動を吸収するモール連携をAPIでつなぐ仕組み。どの入口でも、最終の切り分けは半日の現場診断(無料)から始めます。

NEXT CONTACT

物流の相談は、いつでも受け付けています。

初回60分の無料診断で、現状ヒアリングと改善の入口を3つ提示します。オンラインでも対面でも構いません。